草木染めは我々の生活しているすぐそこに存在しています。
たとえば、近くに咲いている、タンポポ、桜の木(染める場合はチップにします)
だれでも気軽に染めることのできる染色法です。
しかしながら、草木だけで染色しても、色は糸にくっつきません。
そのため行うのが媒染と言うものです。昔は草木染だけでしたから、媒染と言う方法を見つけたのですから、すごいことですね。
媒染は前媒染(糸を染める前に行う)と後媒染(糸を染めた後に行う)があります。
当社では前媒染の方が堅ろう度が高くなるので前媒染で行います。
媒染剤には、他に色の変化を付ける作用があります。
同じ植物染料でも、全く違う色になるのです。
媒染剤は,錫、アルミ、銅、チタン、鉄などです。
草木染の植物染料の種類は本藍などを含め数限りなくありますが、本場結城紬での染色となると、種類はホンの数種類に限られてしまします。
有名な紅花などは、日光堅ろう度が極めて悪いので結城紬には使用できません。
結城紬で使用できるのは、矢車、西洋茜、エンジュ,ゴバイシ、ラックダイなどです。
その植物染料に媒染剤が色に変化を加えていきます。
今回本藍黒に挑戦しています。
本藍黒の方法は
1, 薄地の本藍染を行います。
2, 薄地の本藍の糸ボッチを鉄による前媒染します。※前媒染とは、草木染の場合草木の実で染める前後に染料を糸に吸着させるため行うものです。
3, 矢車の実から30分、2度沸騰させ、できた染液で染まっている薄地の本藍糸を丁寧に1時間ほどかけて染色します。
4, この状態は,所謂「水戸黒」と呼ばれるものです。さらにここから本藍染めを繰り返し、本藍黒染に仕上げていきます。